「初心者が会計を勉強する前に」をまとめたブログシリーズ、「貝Kブログ(会計ブログ)~初心者が会計を勉強する前にみるブログ~」。今回は、損益計算書がテーマです。
損益計算書とは何か?
損益計算書(そんえきけいさんしょ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。損益計算書のことを、PL(ピーエル)と言ったりしますが、これは、Profit and Loss statement(プロフィット アンド ロス ステートメント)の略です。Profitとは利益や収益のこと、Lossとは、損失のことです。
つまり、「損益計算書とは会社の利益や損失を計算する書類」ということになります。そのため、損益計算書には会社の売上や費用などが記載されることになります。
「財務諸表・財務3表」とは何?詳細な説明は、こちら→「財務3表を勉強する前に~財務諸表とは何!?って話~」
令和の時代にリヤカー!?の例題
例題を見ていきましょう。
「リヤカーでりんごを売る」という商売を考えてみましょう。昭和的な商売ですが、これを令和の時代に翻訳すれば「キッチンカーでランチを売る」というような商売になるでしょうか(より単純化できるので、ここでの設例は「リヤカーでりんごを売る」にしています)。
中古のリヤカーを900円で買いました。農家からりんごを1個50円で買って(仕入れて)、100円で売ります。
例えば、10個売れたとすると、売上は100円×10個=1,000円になります。
10個売れたときの仕入れの値段は、50円×10個=500円です。
つまり、10個売るための費用(仕入)が500円かかった、ということになります。
儲け(利益)はいくらでしょうか?
リヤカーの900円は、一旦ここでは考えないことにします。
*余談)リヤカーの900円は、どうやって費用にするの?という話については、「減価償却を勉強する前に~鉄道会社で始まったという減価償却とは何!?って話~」で詳しく解説していますので、ご興味がある方は見てみてください。
「減価償却を勉強する前に~鉄道会社で始まったという減価償却とは何!?って話~」は、こちら
**余談の余談)リヤカーが無いと商売できないとき、リヤカーは必ず買わなければならないものなので、必須の費用となります。そういうような、必ず必要になる費用があるときの分析方法ついては、「管理会計を勉強する前に~損益分岐点って何!?って話~」で詳しく解説していますので、ご興味がある方は見てみてください。
「管理会計を勉強する前に~損益分岐点って何!?って話~」は、こちら
収益・費用とは?
儲け(利益・profit)は、以下のように考えることができます。
「収益-費用=利益」
(しゅうえき マイナス ひよう イコール りえき)
10個売れたとき、収益は100円×10個=1,000円になります。
10個売れたときの仕入れの値段は、50円×10個=500円で、費用は500円です。
収益1,000円-費用500円=利益500円
で、りんごが10個売れたときの利益は500円となります。
収益・費用という言葉をもう一度考えてみます。
「りんごが売れた」=「収益」ですが、
「りんごが売れた」≠「現金を受け取った」ということとはイコールではありません。
なぜなら、りんごを買ったお客さんは必ずしも現金で支払うわけではないからです。「〇〇Pay」や「クレジットカード」で支払った場合、現金が入金されるのは後日のこともあります。
しかし、「りんごが売れた」という現実が「発生した」時点で「収益」として計上します。
これを「発生主義(はっせいしゅぎ)会計」と呼んでいます。
農家からりんごを買った(仕入れた)場合も同じです。必ずしも、現金で買っているとは限りません。しかし、「りんごを買った」という現実が「発生した」時点で「費用」として計上します。
ですので、これも発生主義会計です。
発生主義会計
「収益-費用=利益」
「利益」については、様々な種類があります。損益計算書には、「当期純利益(とうきじゅんりえき)」と記載される利益もあります。
収入・支出とは?
実際に現金を受け取ったり、現金で支払った時は、どのようになるでしょうか。
これを「現金主義(げんきんしゅぎ)会計」と呼んでいます。
現金主義会計
「(現金)収入-(現金)支出=(現金)残高」
発生主義会計と現金主義会計とは?
まとめると、以下のようになります。
発生主義会計
「収益-費用=利益」
現金主義会計
「(現金)収入-(現金)支出=(現金)残高」
「利益」とは、「お金」のことのように思われがちですが、必ずしもそうではない、ということが分かります。必ずしも手元に現金があるわけではないからです。
つまり、利益は現金ではない、ということです。
「利益≠現金」
一番初めに「損益計算書とは会社の利益や損失を計算する書類」と書きましたが、損益計算書に掲載される利益は現金とは違うもの、ということになります。
それでは、現金はどこで計算されるのでしょうか?
現金を計算するために、別の計算書、つまり「キャッシュフロー計算書」が必要になるのです。
「キャシュフロー計算書」という名前を聞いたことがない人もいるかと思いますが、以下の記事で詳しく説明しています。
「キャッシュフロー計算書」とは何?詳細な説明は、「キャッシュフロー計算書を勉強する前に~お金の流れとは何!?って話~」は、こちら
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